川越
埼玉県の南西部、日光市からはとても遠いお客様宅へ打ち合わせに行ってきました。高速道路をフルに利用しても2時間以上はかかるところですので、もちろん施工対応はできません。実は、栃木県内に新築をして引っ越す予定をされているお客様のお宅なのでした。今まで見学会のたびにおいでいただいていたので、一度は私の方からお邪魔させてくださいと申し出たのです。
そのお客様(K様)、打ち合わせの際には家から30分のところの川越市内を案内したい、駄菓子屋横丁もあるから、お子様連れでいらして下さいと、とても嬉しいお誘いをいただきましたので、お言葉に甘えて家族みんなでお伺いさせていただきました。
川越と言えば、言わずと知れた蔵の街。一度はじっくり見てみたいと思っていた町です。
想像通りというより、見れば見るほど想像以上に立派な蔵の商店が並ぶ、とても素敵な町でした。
蔵だけではありません。古い洋風の建築も、素晴らしいデザインと風格とで、とても見応えのあるものが沢山あるようでした。
昼食には、酒蔵元であったところを改造したレストランに連れていってくれました。古い建物をただ綺麗にしたのではなく、新しく作り加えたところは現代風の素材を活用したり、古典とモダンが程良く調和した美しい建物です。
内部はとても素晴らしいの一言でした。古い建物を、これほどに引き立てて魅力的な空間をつくる、設計した人の技量は素晴らしいものがあり、とても参考になりました。
カウンターの壁に大谷石を使ったり、天井付近を這わせるダクトを黒いシートで覆ったり、そういう純粋なデザイン上の工夫も素晴らしかったのですが、大きな吹き抜け空間の構造強度を、目立たなく確保するための方法であるとか、必要最小限のトップライトを効果的に活用しているように見せて、実は万が一の火災の際の煙の逃がし口を確保するなど、安全に対する備えを、それとは気付かせないような心憎いやり方で解決させていたのにも大いに感心させられたのでした。
骨太の構造そのものが美しい蔵。もちろん料理も、とても美味しかったです。K様に御馳走になってしまい、夫婦でいたく恐縮したのでした。
同じ敷地内の土産物屋。こちらの建物も素晴らしかったです。みんなは美しい空間に漠然と感心していたのですが、私だけは、従来の壁にかかる負担を軽減して耐震化を図る構造補強の方法を見つけて感心していたのでした。
その後、目抜き通りを経て、駄菓子屋さんが立ち並ぶ駄菓子屋横丁へ。ここへ来て初めて、子供たちは今日の真の目的地にたどり着いたのでした(^^;)
可愛いコンペイトウを買ってあげたり、水飴で動物などを目の前で作る実演販売のところで作ってもらったりと、とても大喜びでした。
午後の数時間だけでは、まだまだ見足りない川越でしたが、私も妻もすっかり魅了されました。今度は泊りがけでじっくり見に来たいとも話したほどです。また、建築士会の仲間たちとも是非見に来たいものだと思いました。いいものは何度でも見る価値があるし、そうすることで本当の知識として身に付くとも思います。
最後の帰り際には、名物のお土産までいただいたり、K様には何から何まで至れり尽くせりのおもてなしを受けたのでした。本来は私の方が業者なのに、本当にどちらが客なんだかと思ってしまいます。本当にありがとうございまいました。