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2011-06-30

建築塗装

建物の内外装工事の中で重要な位置を占める塗装工事。この工事も奥が深くて、設計者であり現場監督でもある立場の人の経験も重要ですが、実際に塗装してくれる職人さんの経験と技もまた、建物の仕上がりを左右する重要な工事です。

現在、渡辺建築工房の建物は酒井さんが引き受けてくれています。色合いや仕上がりへの要求と、それを実現するための材料選びなど、細かいところまで打ち合わせてから作業していただいています。とても信頼できるパートナーの一人です。

最初の写真では、化粧となる軒裏を塗装しているところです。ここは最初は、全体の色彩計画では焦げ茶色に塗るはずでしたが、あまりにも仕上がりが素敵で、濃く塗るのはもったいないと私も建て主さんも同じように考えたものですから、全体の色彩計画を見直してクリアーに近い色合いにすることとしました。

塗装

厳密には全くのクリアーではなくて、微妙に着色してあります。その色合いも、最もイメージに近い色合いをご近所さんに行って見てもらい、色合いと艶の具合を細かくリクエストした結果、とある浸透性保護塗料を調色してもらうことになったのでした。

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玄関となる建具も無垢の木で作りました。こちらは、着色した後にウレタンニスで仕上げてもらいます。毎日触る場所ですから浸透性よりも耐防汚性を第一優先として考えたのです。塗装と言っても、ただ塗るわけではありません。しっかりと下地調整をしてから塗っていきます。

床屋さんのお店の入り口となるドアも、最初はこのような美しい白木でした。が、こちらは思い切って濃く塗ります。木肌が大好きな私としては、こちらも白木ベースで行きたい思いもしなくはないのですが、全体の見栄えとバランスがありますから、心を鬼にして濃く塗っていただいたのでした。

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ドア事態は濃く塗りましたが、ヒノキの枝で作った『にぎり棒』は、クリアに近い仕上げにしてもらいました。これもアクセントを考えた演出です。とっても素敵な取っ手でしょう?(失礼しました)

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ご主人の趣味の日光彫スペース入口は、純和風のクリアーに近い仕上がりの引き戸です。床屋店舗とのイメージを明確に分けました。インテリアも、これに従ってお互いに全く違った雰囲気の空間となります。

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