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2019-11-28

気密測定

木造の家づくりをするの上で、構造強度にかかわる施工や耐久性に配慮した納まり、その他、現場で監理することは多々ある中で、私の中では気密測定も外せない重要な確認事項です。

気密測定風景

窓にセットしてある大砲のような筒には、風を起こすファンがセットしてあり、ファンを回した時の風量センサーも組み込まれています。さらに建物の室内と外側にパイプを配管して、ファンを回した時の内外気圧差を測定します。風量を段階的に変えることで、風量と気圧差の関係からデータを集積し、気密性能が数値で計測できるという仕組みです。

求める性能が出せればよいというわけではありません。風圧をかけたとき、手をかざしたら分かるほどの隙間風が漏れては困ります。そういうところがないか、手をかざして完全に処理しきれていないところを探すというのが、気密測定のもう一つの目的です。

大工さんが気密処理の確認をしているところ

だから、写真のように骨組みがあらわな段階で測定を行うわけです。内装ボードを貼り終えたり完成した状態で測定しても、それでは結果を知ることしかできません。万が一にも悪いデータが出てしまったとしても、漏れている箇所を探して出して処理することは不可能になってしまいます。

この日は午前中に処置を終えました。お昼過ぎには、すぐそばでお住いの建主さんにも来ていただいて、気密測定の様子を見ていただきました。ファンを回して風を送っているとき、気密性能が良いと気圧差が大きいため、窓やドアが開けにくくなります。ちょっとでも開けることができると、ビューっと大きな音を立てて風が入ってきます。そんなことを実際に体感していただいたりして、気密性能の理解を深めていただいたのでした。